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Family Affair. 一日目 その3「愛などなく」(18禁)
 ピチャン、ピチャン……

 俺のか、彼女のか。それとも二人からか。
 濡れた身体から落ちる水滴が、床石を叩く音がする。
 それと、彼女の苦しそうな吐息。

 言われるまま、瞼を閉じて。
 これから何が起こるのか。
 出来れば、痛いのは勘弁だなぁ、とか、そういう事を考えてて。
 妙に、周りの音が気になっていた。

 かさり。
 衣擦れの音が聞こえて、両頬に冷たい感触が伝わる。
 それが彼女の指の感触だと気付いて、少しばかり身構えた。
 鼻先を熱い吐息が掠め、頬を触れていた指が、撫でるように首筋へ向かう。
 それは、何だかくすぐったくて――無意識に背筋がビクリと反応した。
 けど、彼女はそんな俺の反応にお構いなく、
 続けて、柔らかい何かを、唇に押し当てる。
 今度はほんのりと暖かくて、その感触が気持ち良い、けど――

「――っ!」

 それが彼女の唇だって気が付いて、
 思わず、閉じていた瞳を見開き、文字通り目の前にあった彼女の表情を窺った。
 その顔は、相変わらずフードに隠れていて。
 それでも――少しばかり恥ずかしそうに見えたのは、俺の錯覚だったのだろうか。

「ダメよ――坊や。
 私に任せてと言ったでしょう?」

 唯一見える、形の良い唇が、先ほどの言葉を繰り返す。
 同じ声色と、同じイントネーション。
 だと言うのに、この感触を得る前と後じゃ、こんなにも印象が違うのか。

「え、で、でもっ――」

 頭があまりにも混乱して、情けなく口ごもる。
 言いながら、かぁーっと顔に血液が集まるのが解った。
 きっと俺、完熟のトマトみたいに真っ赤になってるよ、
 ――なんて事は解るのに、現状の把握が全く出来ない。

 そんな俺の様子を見て、彼女は少し距離を取り、心苦しげな様子で小さくため息をついた。

「言ったでしょう?
 貴方に私のマスターになってもらうと。
 ……本来なら、契約の呪文で済む話だけど、貴方はそれを使えない。
 だったら後は――お互いの理性を取り除いて、手動でパスを繋ぐしかないわ。
 大丈夫よ、両方とも私が何とかするから」

 まるで、自分に確認するように、彼女が呟く。
 その様子は、どこか申し訳ないようで、恥ずかしがっているようで。

 理性を、取り除く――?
 その言葉で、俺はやっと彼女の行動の意図を理解した。
 いやだって、未熟者ではあるけれど、これでも俺は魔術師の端くれだ。
 ここまで説明されて、何が起こるのか解らない――なんて事は、流石に無い。
 けど、それは、つまり、そういうわけで。
 俺と彼女は、これからナニすることで、どうするということだ。
 しかしそれは、ちょっとばかり予想していなかった展開であり――

「ちょ、ちょっと待ってくれ、そんな話――」

 ”聞いてない”と、咄嗟に言葉を紡ぎ、
 その全てを言い切る前に、彼女の鋭い眼差しを感じて、口を噤んだ。

 ピチャン――

 気まずい沈黙が流れ、
 水の滴り落ちる音と、彼女の苦しげな吐息だけが、再び玄関を支配する。
 俺はそんな空気が耐えられなくて、何か言わなきゃと、必死になって考えたけど、上手いセリフは何一つ浮かんで来なくって。
 沈黙を破ったのは、彼女の方だった。

「――貴方は、私を助けてくれるんでしょう?
 それとも、私なんかとこんなコトするのは嫌?」

 先ほどの、恥ずかしげな雰囲気は、どこにも無い。
 冷たい、冷たい響きの声。
 攻撃的で、全てを切り捨てるみたいに鋭い口調。
 けど、その声のおかげで、暴走していた思考が、急ブレーキをかけたみたいに落ち着いてくれた。

 ――彼女を助ける?
 当たり前だ。
 それは誓った。誓いは守らなきゃいけない事だ。

 ――彼女と、こんな事をするのが嫌?
 そ、そんなことは無い。多分。
 だって、さっき覗いたフードの下の彼女は、とても綺麗で。
 それに俺も男だし、そういう事に興味が無いわけでもない。
 でも、だけど――戸惑う心を収める事が出来ない。
 契約とか、そんなののために、女の人を抱くとか……そういうのは、あまり良いことじゃ無いんじゃないか?
 なんて考えが、俺の判断を鈍らせる。

「――嫌なら、仕方無いわ。
 貴方はこのまま家に入って、眠ってしまえば良い。
 目が冷めた頃には、私はとっくに消えていて、いつも通りの生活に戻れるわよ?」

 何時までも黙っている俺に、彼女は諦めと、怒りのような感情の篭った声で呟く。
 その彼女の言葉に「そんな事、出来るわけ無い!」と、心の中では速答していた。
 そう、出来るわけ無い。
 出来るわけ無いんだ、けど――

 煮え切らない。
 多分、傍目から見たら、イライラするくらい煮え切らない。
 それが自分でも解ってるから、彼女の指が苛ただしげに俺の顎先を持ち上げるのを、されるがままに従った。
 ――目線が上がる。
 俺より一段高い所に座る彼女の顔が、こちらを見下ろしている。

「私を助けてくれるのなら、口を開いて、舌を出しなさい。
 そうしたら、気持ち良いことをしてあげる」

 彼女の言葉は、その内容とは裏腹に、相変わらず冷たい響きだ。

 ピチャン――

 濡れた前髪の一房から、冷たい雫が頬に落ちた。

 参った。
 ホントに、こういうのは参ってしまう。
 参ってしまうのだけど――

 他に方法は無いかと、縋るように向けた視線の先。
 そこで彼女は、苦しそうな息を必死に抑えて、静かにこちらを見つめていた。
 それでも揺れてしまう細い肩は、その終わりが近いことを告げている。

 それを見て、
 ――心を決めた。

「一つ、言っておきたい」

 小さく、深呼吸。
 俺を見下ろす彼女の、フードに隠れたその顔を、真正面から見つめる。

「俺は衛宮、衛宮士郎だ。
 坊や――なんかじゃ無い」

 そう、きっぱりと言い切って。
 言い切ったけど――やっぱり遠慮気味に口を開いて、舌を差し出した。
 直後、

「フフ……」

 と、可笑しそうに、小さく笑い声を上げる彼女。
 ――む。
 その綺麗な笑い声に、少しばかりムッとして、眉間に皺が寄った。
 そりゃ、中途半端に口を開いて、舌を差し出す様は間抜けだろう。
 でもこれは、アンタがやれって言ったからやってるのに――笑うなんて酷いんじゃないか?
 なんて、至極当たり前の感想を持つ。
 だが彼女は、そんな俺を尻目に胸元の飾りに手をやると、パチリと音を立ててそれを外した。
 すると、どういう仕組みなのだろうか。
 びっしょりと濡れて、肌に張り付いていたはずの紫のローブが、小さな衣擦れの音を立てながら、ストンと床の上に落ちた。
 同時に露になる――彼女の素顔。
 青みの強い銀色の美しい髪と、人のそれより、ほんの少しだけ長い耳。
 それらは、先ほど覗き見たときよりも、ずっと綺麗に見えて、
 俺の胸を打つ鼓動は、倍くらいの速さに跳ね上がった。

 だというのに。

「――良い子ね、士郎くん。
 ほら、そんな顔しないで」

 なんて、彼女はまるで幼子を諭すような言い方で、もう一度笑ったりするのだ。

 ――むむむ。
 ますます深くなる、眉間の皺。
 口元だけでない、本当に綺麗なその笑顔の全てを見ても、俺の苛立ちは収まらなかった。
 馬鹿みたいに舌を出したまま、半眼で彼女を睨みつける。
 彼女は、そんな俺に少し困ったように笑いながら、そっとその顔を近づけてきた。
 そして。

「――うっ」

 差し出していた舌が、彼女の唇に挟まれる。
 その奇妙な感覚に、うめき声にも似た吐息を漏らした。
 顎にやった彼女の指は、遠慮気味に開いていた俺の唇をさらに開かせ、出来た隙間から俺の物では無い、何かを進入させる。
 一瞬、その生暖かくて柔らかい――彼女の舌に異物感を覚えて戸惑ったけど、上顎の前歯の裏を、ザラザラとした舌先で舐められると、脳髄が痺れるみたいに真っ白になった。
 その直後、ちゅぴり――と水音を立てて、彼女は俺から唇を離す。
 それは、本当に刹那の出来事で。
 俺は自分でも自覚できるぐらい物足りなさそうな顔をして、彼女を見上げていた。

「フフフ……。
 大丈夫よ、士郎くん」

 そんな俺の表情を見て、彼女が小さく笑みを零す。
 その、あまりに扇情的な笑い声は、先ほどの口付け以上に俺を真っ白にした。
 それを、彼女は自覚しているのか。
 唇に妖艶な笑みを浮かべたまま、俺の顎を持ち上げていた指を、撫でるように動かして頬まで移動させた。
 すべすべとした、冷たい感触。
 しかし熱を持ちすぎた俺の頬には、その冷たさが心地良い。
 やがてその手は、ゆっくりと肩に回されて、抱き寄せられるように力が込められた。
 けど、その力は余りに弱くて、抵抗しているわけでも無いのに、俺の身体はびくともしない。
 だから俺は、彼女に誘導されるまま自分から動いて、その隣に腰掛けた。
 彼女は、隣にやってきた俺の胸に手を当てると、そのままゆっくりと押すようにして体重をかけてくる。
 そんな彼女の手に、突然倒れてしまわぬよう、腹筋に力を入れながら、廊下の床に仰向けになって倒れた。

 ぐちょり。
 たっぷりと水を含んだ制服が、そんな音を立てて背中に張り付く。
 玄関の段差に投げ出されている膝は、彼女の太腿に挟まれた。
 気が付けば、彼女の身体が、覆いかぶさるようにして俺の上に寄せられている。
 その姿を呆然と見上げる俺の顔を、彼女の両腕が包み込むようにして肘をついた。
 フサリと、濡れた銀髪が一房流れ、睫が触れ合いそうな程に近い距離に、彼女の美しい顔がある。

「さっきから、一言も喋らないのね。
 緊張してるのかしら?」

 そして投げられる、突然のからかい言葉。
 一瞬、呆気に取られてから、当たり前だー! と、答えようとして、唇があうあうと動いた。
 その事実に驚愕する。
 どうやら俺は、緊張のし過ぎで、上手く喋ることが出来ないようだ。
 いや、唇だけじゃ無い。
 手足の関節から、それこそ指先まで。
 ありとあらゆる器官が、緊張の余りガチガチに固まっていて、瞬きすら儘ならない。
 あぁ、くそ、情けない――なんて、何とも言えぬ敗北感に包まれながら、その問いには、正直に頷いた。
 そんな俺に、彼女は「私もよ」と一言、短く答えて、
 その魅惑的な唇を落とす。

 くちゅり、ぴちゃり。
 湿った音が、嫌に近くで聞こえる。
 当たり前か。
 これは、俺の内で鳴ってる音だ。

 くちゅり。
 口内で蠢く彼女の舌に、必死になって応えようとするけど、ぎこちない動きの俺のそれは、簡単に彼女に往なされてしまう。
 悔しくて――彼女にも、こんなに気持ち良い感覚が、与えられているのか不安になって、呼吸も忘れて舌を絡めた。
 自分が触れられて、気持ちよかった場所を、彼女の中に探す。
 そして、

「ぁ――ふあ……」

 初めて彼女が小さく喘いだ。
 それが無性に嬉しくて、もっと深く唇を求めるけど、それから逃げるように彼女の顔が離れて行く。

「なん、で――?」

 それが、余りに切なくて、思わず尋ねた。
 彼女は、その問いには答えず、引きずるようにして身体をずらしながら、上目遣いにこちらを見つめる。
 絡み合う視線。
 そのまま、彼女の唇が開かれて、俺の喉仏に吸い付いた。

「あっつ――」

 思わず、声が洩れる。
 喉仏なんて、今まで何度触ってきたか解らない。
 けど、触れているのが、彼女の唇というだけで、何でこうも違うのか。
 そのまま彼女は、ゆっくりと唇を降ろしていく。
 首筋に沿って舌が這って、
 鎖骨の凹みを一舐めした。

「あ――ぅ」

 俺の喘ぎに、彼女の目が満足げに細まる。

「気持ち良いのかしら、士郎くん?」

 問いかけながら、彼女はゆっくりと身体をずらす。
 下へ、下へ――。

「――答えるのよ。
 気持ち良い?」

 とうとう、彼女の身体は、俺の膝の間にまで降りてって。
 一段低い、玄関の床石に膝をついて、こちらを見上げていた。
 その顔が余りに意地悪で、俺は。

「……バカやろ」

 苦し紛れに、そう呟くのがやっとだった。

「……」

 彼女は、そんな俺を無言で見詰めて、動きを止める。
 その目は、楽しそうに笑っているけど、意地悪な表情は変わらない。
 その顔を見て、俺は彼女が何を望んでいるのか理解した。

 ――くそう。
 悔しくて、眉間に皺が寄る。
 完全に、俺の負けだ。
 あぁ、降参だよ、まったく。

 一つ、大きく溜息をついて、彼女から視線を逸らした。
 そして。

「気持ち良いよ――」

 ――屈辱というほど嫌ではないけれど、決して口に出す事を望んでいなかった言葉。
 視線を逸らしているにも関わらず、彼女が満足げに笑うのを、俺は肌で感じていた。

「良い子ね……」

 言って彼女は、目の前にある膨らみを、そっと一撫でした。

「……ぐっ」

 その、鈍い感触に、瞼をぎゅっと閉じて耐える。
 暗闇の中、ジーと、チャックが下げられる音が聞こえた。

「こっちを見て」

 彼女の声と同時に、ひやりとした感触が、それを握り締める。
 その、感触に、

「――っ!」

 背中が跳ねそうになるのを、必死に耐えた。
 やがてそれは、器用に外気に晒されて。

「こっちを見るのよ、士郎くん」

 彼女が、俺に命令をした。
 俺は、その言葉にどこか期待の様なものを持ちながら、ゆっくりとそちらを見やる。
 そこには。
 俺自身を片手で握り、その大きく膨れた先端に、開いた口を寄せて、こちらを見つめる彼女が居た。
 二人の眼差しが、交わった瞬間――。

「う、あっ!」

 今度は、耐えることが出来なくて、身体が大きく跳ねた。
 向けた視線の先では、熱くそそり立っている俺自身が、彼女のその小さな唇に飲み込まれている。

「ちょ、ちょっとま、待って!」

 じゅぶり、じゅぶり。
 音を立てながら、彼女の顔が上下する。
 その視線は、相変わらず俺の表情を楽しそうに見つめていて。

「う、う、あっ――」

 熱い粘膜と、全て抜き取られそうなくらいに強い吸引が、俺自身を激しく攻め立てる。
 それが、余りに気持ちよすぎて。
 思わず果てそうになるのを、必死になって耐えた。

「くっ――」

 ずるい。
 ずるいぞ、こんなの。
 何で、俺ばっかりこんな気持ちよくなってるんだ。
 ――なんて、沸騰しそうな意識に、そんな事を思う。

 けれど、彼女の身体は遠すぎて。
 たとえ手の届く場所にあっても、その身に触れても良いものか、俺には解らなかった。

 契約――。
 そう、これは契約なんだ。
 そこにはきっと、愛なんて無い。

「あっ――はぁ」

 ふいに、彼女は俺自身を開放すると、そんな吐息を漏らした。
 そちらを見ると、片手が下に降ろされており、段差の影で、何やらもぞもぞと動いている。
 少しばかり、捲り上げられている、彼女のスカート。
 くちゅり。
 そこから、小さく水音が聞こえて――。

「む――ふ、あ……ん」

 彼女は、頬を真っ赤に染めて、苦しそうに喘ぎ声を漏らした。
 降ろした手を、ひっきりなしに動かしながら、それでも俺自身に舌を這わせる。

 くちょり、ぴちゃり――

 その水音が、どちらから聞こえてるかなんて、解りやしない。
 解るのは、どんどん自分が真っ白になってるって事だけだ。

「もう――」

 ――いいだろ?
 気が遠くなりそうになりながら、呟いた言葉。
 彼女は、その声に顔を上げると、ゆっくりと身を起した。
 板床に上がり直して、俺の上に膝立ちで跨る。
 それに合わせるように、彼女の長いスカートが、フワリとその場を覆い隠した。

 そのスカートの内側で――俺自身が、熱く濡れそぼった彼女に触れる。

「……」
「……」

 交わす、視線。
 彼女のそれが、俺の意思を確かめてる。
 ”本当に、これで良いの?”って。

 馬鹿な。
 そんな事、答えることすらもどかしい。

 俺は、徐に彼女のわき腹へ手を回すと、
 ――思い切り腰を突き上げた。

「んあっ――!」

 ――声を上げたのは、彼女だった。
 突然の俺の動きに、頤を反らして身を震わせる。

 だからって、俺が平気だったワケじゃない。
 俺を受け入れた彼女の熱い粘膜が、まるでそこだけ別の生き物みたいに蠢いて、
 脳天を貫くみたいな快感が、雷みたいに突き抜けた。

「は――ぁ、悪い坊やね。
 任せてって言ったのに」

 彼女が、笑う。

 ――坊やって呼ぶな。
 反射的にそう思っても、それが口に出ることは無かった。

「お願いだから、じっとしてなさい」

 良いわね? と、彼女はまた幼子を諌めるような口調で言う。
 くそう。
 悔しいけど、俺はそれに頷くことしか出来ない。
 少しでも動くと、それだけで果ててしまいそうだった。

「……早く、何とかしてくれ」

 もう、殆ど弱音のような言葉。
 彼女はそれに頷くと、ゆっくりと腰を持ち上げた。

「――うぅ」

 幾重にも重なった襞のそれぞれが、別々の動きをして竿の部分を擦り上げる。
 徐々に、開放されていく俺自身。
 やがて先の出っ張りが、彼女の入り口に引っかかった所で、今度はその腰がストンと落ちてきた。

「は――あぁ!」
「う、あ――っ!」

 二人して、喘ぎ声を上げて、無意識にお互いの服を握り締める。

「シロウ――士郎くんっ!」

 パン、パン、パン――
 彼女が上下に動くたび、そんな、ぶつかり合う音がして。

「は、あ、う――」

 二人して、何かに堪えるように、眉間に皺を寄せていた。

 彼女が、体を倒して、絡みつくように唇を求めてくる。
 勿論、俺に拒む理由は無く。

「ふ、あ――は」

 グチョグチョに、貪りあって、溶け合って。

「あ、あ、いっ――」

 目の前の彼女の痴態を、妙に嬉しく思っていた。

 パン、パン、パン――
 肉と肉が、ぶつかり合う音。
 絡まりあう、舌と舌。

「は、ぁ、も、もう、良いか――?」
「良いわ、いっ――あ、はぁ。
 奥に、そのまま――ぁ」

 もう、耐えることなど出来なくて。

「い、行くぞ――!」
「んっ――――!」

 思いの丈を、彼女の最奥に注ぎ込んだ――。





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